フルメタルソニック 開発秘話
フルメタルソニックのプロト第1号を持って、テストに出かけだしたのは、2年前の10月後半で、やっと実釣テストを行えるプロトが数種類出来た時でした。フルメタルソニックに使っている素材は、日本刀にも使われる非常に硬い鋼材を使用している為、プロトを作るのがメチャクチャ大変だったのが思い浮かんできます。
通常のメタルバイブは、加工がし易い比較的柔らかい真鍮などの鋼材を使用するのですが、素材の柔らかさ故、板の厚みを0.8~1ミリとらないと強度に不安が残ります。フラッシュユニオンではここに着眼し、フルメタルを使う事で0.4ミリという極薄プレートを実現しましたが、この素材がまた、凄い! 何が凄いかというと、ケタ外れに硬く、フックやスナップをセットする穴が開けられないほどの硬さです。
一個のフルメタの穴を開けるのに、ドリルの刃が3~4本いるのです、とにかく硬くて中々開かなく、しかも直ぐにドリルの刃が折れて使い物にならなくなってしまうのです。こんな苦労をしながら完成させたプロト第1号では、予想以上のとんでもないレスポンスと素早いピッチに自分でも驚きを隠せませんでした。
その日のテストでは、瀬田川のオカッパリでいきなり55クラスと62センチのバスをヒット!! 穴あけの苦労も吹っ飛ぶ恐るべき結果となりました。
それから1年間、モデルチェンジを繰り返しサンプルを作り込み…
昨年の冬に何とかリリースする事が出来ました。
昨年の冬の釣果情報は凄まじいもので、その口コミで一気に広がったようです。
ただ、フルメタルソニックが船団の中でも圧倒的に釣れるのにはまだ明かしていない秘密があり、板が薄い=レスポンスの良さと思ったメーカーが、薄いだけのプレートを採用してくると思っていたので、あえてその秘密は公開していませんでした、薄いだけではダメなんです。
次回はその秘密を明かします。